21世紀って未来じゃなかったの?

20世紀の昭和生まれのわたしにとって21世紀は未来だった。進歩した未来。
平成最後の夏、20世紀に思い描いていた未来である21世紀と今21世紀そして平成30年を比較してみたい。
20世紀わたしが生まれたころ、日本では戦争は終わりそれは過去のものとなっていた。街はキラキラとしていて何もかもが明るかった。其の頃のわたしは子供て明るさしか見えておらず光あるところには必ず影があることに気がついていなかった。
高度経済成長を過ぎいわゆるバブル期に突入。各地で万国博覧会が催され未来へ大人たちが駆け足で向かおうとしているように見えた。
未来ってどんなかな。進歩ってどういうことだろう。ぼんやりと空想する。
子供のころのわたしが思い描いていた未来はみんながハッピーであることだった。奪い合うための戦争や貧困や病気がないこと。
平成30年夏、大雨で多くの人が亡くなった。運良くわたしは被災しなかったが外に出ると足首まで浸かるほど道路が冠水している。雨の音は飛行機の騒音より大きく雷は鳴り響く。小都市ではあるが都会の真ん中で防災ベルが鳴り続ける。
天の水門が開いた。そうとしか思えなかった。雨は人を山を家を飲み込んだ。
雨はやんだ、多くの犠牲者が出た。昭和に生まれ平成になった瞬間を今もなお鮮明に記憶しているわたしは平成が終わる年に自然災害で人が多く亡くなるなんて思っていかなった。進歩していると思っていたから。
江戸時代と同じじゃない。雨で人が亡くなるなんて。そう、進歩しているなんて幻想かもしれない。もちろん進歩するために努力している人たちは大勢いる。謙虚であることが進歩への第一歩なのかもしれない。人類の進歩なんて大きな自然からみたら宇宙からみたら1mmくらいのものなのだろう。
21世紀なのに戦争も終わっていない。雨で暑さで人が亡くなる。

今出来ることを謙虚に粛々とやり続ける。

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