モロッコ便り:Mくんの危機

まず、基本的にモロッコはもとよりアラブ諸国、ヨーロッパでさえ
電車が定刻通りこないことはしばしばある。
日本の電車が定刻通りというのは素晴らしいことだし、それは日本固有の文化といっても過言ではないだろう。

モロッコのKちゃんより連絡があった。
彼女はマラケシュから出張で国内を飛び回っていた。
そしてマラケシュへ電車で戻るときのこと。
電車を乗り換えてマラケシュまで行かなければならなかったが英語が不慣れなこともあり
駅にいたモロッコ人と思しき人に話しかけたところ
同じ電車、同じ等級のチケットを持ってた。
じゃあ、あなたについて電車に乗って帰る!となった。

しかしながら、ここはモロッコ。電車が定刻通りには来ない。
電車が来たと思えばそれは2時間遅れで来た電車だった。
同じく電車を待っていたモロッコ人・観光客たちは駅員に文句を言いつつも
次の電車(2時間後)を待つように言われ引き下がろうとしていた。

Kちゃんは 2時間!そんなの待ってられない!わたしはこれに乗る、乗りたい、乗らせて!と日本語でまくし立てた。
追加料金がかかってもいいし、とにかくこの電車に乗りたいの!2時間なんて無理!
そう駅員さんに日本語とちょびっとの英語で交渉すると、不思議と駅員さんに伝わり
予約列車よりも1つ前の2時間を遅れてきた電車に乗れた。

もちろん、チケットにある席は他の人が座っている。だって予約して1本前の電車なのだから。そこは問題ではない。
そして、車内で車掌さんがチケット確認に来る。
追加料金がいくらかかるのかドキドキしながら。
チケットを見せる。それで終わる。

英語ができるとかできないとか、そこではなくそれを上回る伝えたい熱意が通じ希望を叶えた。
何も言わずに引き下がるのも良しだけど、彼女のやってみる精神はすごい!
そしてだいたい、要求を通している。しかも日本語で。

Kちゃん出張中にモロッコ入りした彼氏のMくん。
彼は英語もそれなりに出来る。nyでレコーディングの経験もあったりと海外滞在も
何度もある。
彼女の出張中、彼は一人で街を散策。初めての場所、道もどこがどこだかわからなくなる。
道行く人に、行きたい場所がここなんだけど、どっちかな?と尋ねる。
OK!案内するよ、と気のいい?現地民についていく。
目的の場所に到着。
すると、案内してくれたその人が
ガイド代500リラハム(約5000円)払え!
え???まじ??
思わず、 KILL YOU! と口に出た。(良い子はダメよ)
そんなことがあった。

これは単なる一例だけど
英語ができないから、何かができない、というのは思い込み。
もちろん、気をつけるところは気をつけるべきだけど
なんでもやってみよう!というその一歩がその熱意がきっといい人を惹きつけ
目的を達成できるのではないかしら?

しかし、この対照的な性格のカップルの行く末も楽しみだ。



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